「ブランドサイト」型
貴社ビジネスのマーケティングタイプは、「ブランドサイト」型です。
自ら販売機能を持たず、小売店や販売代理店を通じて商品を売るビジネスでは、商品紹介に特化した「ブランドサイト」を作ることが多いです。具体的には、「味の素」、「パブロン」、「ファブリーズ」、「AQUOS」などを紹介するWebサイトが該当します。
3つのフェーズ毎の施策
"顧客が購入するまでの流れ"を3つのフェーズに分け、それぞれのフェーズにおける効果的な施策を解説します。
「日常生活」フェーズ
「日常生活」フェーズのゴールは、"認知を獲得して純粋想起を高めること"です。膨大な広告費がかかるTVCMをデジタルで代替することで大幅なコストカットができます。
まず、製品別に購入しうるターゲットユーザーのリストを集めます。効率的なリスト収集方法としては、自社製品をプレゼントするキャンペーンを打つこと等があります。次にこのリストに対して、「製品名」を連呼します。メール、LINE、Twitterなど手段は問いませんが、ユーザーの目に触れる方法で通知します。例えば、メールの場合、タイトルに製品名さえ入っていれば、極論すると、本文は何でも構いません。
良い例:
- プレゼントキャンペーン、メルマガ配信
悪い例:
- 膨大な広告費をTVCMに投下する。
- ロゴ、デザインの刷新
「初回購入」フェーズ
「初回購入」フェーズのゴールは、これまで小売店や販売代理店に任せてきた購入フェーズの顧客と、デジタルで直接接触して、初回購入を後押しすることです。ブランドサイトの情報を拡充することで、関連する検索キーワードで上位表示され、購買検討時のユーザーに接触することができます。比較サイトやECサイトよりも上位に表示させるために、詳細な商品情報をリアルタイムにかつ分かりやすく提供することが重要です。
ブランドサイトは副次的に、販売員・営業マンの代替を担うこともできます。顧客が、店舗スタッフの替わりに直接ブランドサイトで情報収集することがその好例です。また、専門媒体、インフルエンサー、まとめサイト、店舗スタッフなどはブランドサイトの情報を参考にして、商品を紹介することがあります。ブランドサイトで自社の強みなどを訴求することで、外部サイトで選んでもらえる確率も上がります。
良い例:
- SEO対策、商品情報の充実
悪い例:
- Webサイトのデザイン・リニューアル
- 入口ページ以外の改善や細かいABテスト
- アトリビューション分析
「リピート」フェーズ
「リピート」フェーズのゴールは、コンテンツを増やして、コスト削減・継続接触することです。デジタル活用によって、購入後のサポートを効率化できます。現状のお問合せ履歴から質問回数が多い順にFAQコンテンツを作成するだけで十分です。チャットボットなどの手段に飛びつく必要はありません。
アンケートのコスト削減も可能です。調査会社へ依頼すると数百万円かかるアンケートも、顧客リストさえあれば無料で何回でも実施できます。
継続接触するためには、顧客にとって有用なコンテンツを発信し続けることで、顧客の生活時間に入れることができます。
また、これらの施策を実行するためには、「事業部」の協力を得て、情報収集する必要があります。「事業部」と「マーケティング部」の連携をうまくマネジメントすることが重要です。
良い例:
- よくある質問のストック化
- 購入者リストを獲得するためのキャンペーン等
悪い例:
- ユーザー仮説不在のデータ分析
- 顧客ニーズを把握する前に、チャットボットを導入する。