「ECサイト」型
貴社ビジネスのマーケティングタイプは、「一般的なECサイト」型です。
Web上で決済でき、購入決定までに営業マンを介さないビジネスです。
ECの市場環境
ECは今後さらに厳しい競争にさらされます。様々な業種でEC化が進み、参入するプレイヤーが増えます。Amazonや楽天などのプラットフォーマーはさらに強くなり、それ以外のECは弱体化します。
この状況下で、一般的なECが生き残るためには、徹底的にニッチを追求し、ファンを獲得することが必要になります。ECで最も重要なのは「商品」です。このサイトでしか買えない魅力的な商品を仕入れれば、Amazonが覇権を握った世界でも生き残れます。
3つのフェーズ毎の施策
"顧客が購入するまでの流れ"を3つのフェーズに分け、それぞれのフェーズにおける効果的な施策を解説します。
「日常生活」フェーズ
「日常生活」フェーズのゴールは、"初回購入の促進"です。このビジネスタイプは、利益率が低いため、このフェーズの広告費は抑えるべきです。むしろ、売れる商品を作って、販売すべきです。
例えば、バリ風家具のECなら、バリ風のタオルを売って、いずれ家具を買うユーザーに継続接触をする施策が挙げられます。
良い例:
- 初回購入に焦点を絞った商品開発
悪い例:
- ストックにならない認知広告の出稿
- ロゴ、デザインの刷新
「初回購入」フェーズ
「初回購入」フェーズのゴールは、新規顧客(一見さん)に購入してもらうことです。最も重要なのは、「一見さんに売れる商品」を作ることです。
一見さんを獲得するには、「何かを探し始めた時」ではなく、「探したけど見つからなかった時」か、それ以前に「何も探していない時」を狙う必要があります。
下記の手順で「売れる商品」と「目標CPA」が決まれば、その予算内で集客をかけるだけです。集客の方法は、Google検索、Instagram、Twitter、Yahoo!ショッピング等の中からターゲット顧客に合ったものを選びます。いずれのプラットフォームも、運用ポリシーを理解し、彼らにとって「優等生」に振る舞うことで、露出を増やすことができます。
売れる商品の分析
今の購買データベースから、新規顧客に売れている商品を探します。さらに競合ECや大手総合ECのサイトを確認し、トレンドで売れている商品を見つけます。始めは、これらの商品の在庫拡充だけでも新規顧客を獲得できるでしょう。その次に、自社ならではの付加価値のある商品を開発します。
目標CPAの設定
CPA(Cost Per Acquisition)とは、1人新規購入してもらうためにどこまでコストをかけて良いかというマーケティング指標です。顧客のLTV(Life Time Value)から逆算して、目標CPAを設定します。
良い例:
- 「売れる商品」の分析、「目標CPA」の設定
悪い例:
- 新規ROASを目標として設定してしまう。
- Webサイトのデザイン・リニューアル
- サイト構造を大幅に見直すSEO施策
「リピート」フェーズ
「リピート」フェーズのゴールは、既存顧客のLTVを高めることです。最も重要な施策は、「LTVを最大化する商品」を作ることです。
商品は「役割」別に用意します。「一見さんに売れる商品」毎に、「2~3回目に買ってもらいやすい商品」、「定期的に購入してもらえる商品」、「アップセル用の商品」のストーリーをそれぞれ設定します。
良い例:
- 「LTVを最大化する商品」の開発
- 定期的なメルマガ配信
悪い例:
- 在庫処分やイベントのために惰性で企画される特集
- メイン導線以外の改善や細かいABテスト