「専門技術者向けBtoB商材」型
貴社ビジネスのマーケティングタイプは、「専門技術者向けBtoB商材」型です。
このビジネスの商材は、ハードウェア・エンジニアにとっての「部品・素材」、医者にとっての「医薬品」、建築士にとっての「建材」などが含まれます。
このマーケティングタイプの特徴
このビジネスでは、商材別に有力メーカーが2~3社あり、顧客もその会社を認知していることが多いです。
顧客は、日頃から有力メーカーの新商品情報はチェックしており、手元には最新カタログがあります。必要な商材の仕様が決まれば、カタログやWebサイトで確認して、いつもの方法で発注します。多くの技術者は、こだわりが強く、お気に入りの商品があります。普段通りの仕事であれば、新しく何かを調べることはなく、お気に入りの商品を使い続けます。競合商品をリプレイスしたり、新商品の優位性を示したりするためには、営業マンが足を使って説得しなければなりません。技術者の方が詳しいケースもあり、簡単には説得できません。
営業マンへの依存度が高まりやすいため、デジタル活用などによって、営業マンの負担を軽減し、再現性のある営業体制を構築することが重要です。特に、顧客の"日常生活"フェーズに入り込み、"ニーズが顕在化したシグナルを検出すること"が重要になります。
3つのフェーズ毎の施策
"顧客が購入するまでの流れ"を3つのフェーズに分け、それぞれのフェーズにおける効果的な施策を解説します。
「日常生活」フェーズ
「日常生活」フェーズのゴールは、"見込み顧客リストを獲得すること"です。貴社がお持ちのノウハウや便利ツールなどの「情報資産」を惜しみなくオープン化することで、その見返りとして、顧客はメールアドレス・電話番号などのリード情報を提供してくれます。特に、市場での地位が低い商材ほど、このフェーズに力を入れるべきです。
良い例:
- ホワイトペーパー(情報資産をオープン化する。)
- 検索性の高いデジタル・カタログ
悪い例:
- ストックにならない認知広告の出稿
- ロゴ、デザインの刷新
「初回購入」フェーズ
「初回購入」フェーズのゴールは、導入を検討してくれる顧客のアポイントを獲得することです。このフェーズのユーザー(技術者)は、要件・仕様を明確にした上で情報収集をしています。「サイト内検索」機能やカテゴリをたどって選べるリンクが必要になります。商材別にフォームへの誘導を強化することも重要です。
良い例:
- Webと営業の連携強化(優先度の高い見込み顧客を選別して営業マン(商談)へ繋げる。)
- 自社ブログの構築(SEO自然流入の確保)
悪い例:
- Webサイトのデザイン・リニューアル
- メイン導線以外の改善や細かいABテスト
- サイト構造を大幅に見直すSEO施策
「リピート」フェーズ
BtoB商材であっても、できる限り「継続購入型」のサービス形態を検討すべきです。売り切り型のビジネスモデルは、次第に顧客が離れていってしまいます。また、初回購入後にアップセルできる可能性が高いため、アフターサポートを充実させるメリットは大きいです。「リピート」フェーズのゴールは、ユーザーの生活時間を少しでも奪うことです。常に最新の製品情報を届けるために、デジタル・カタログに定期的に訪問してもらえるような仕組み作りが重要です。また、商品別の売上だけではなく、商品別の「閲覧数」や「ゴール到達数」などを把握すべきです。
良い例:
- 定期的なメルマガ配信(有益な情報資産を提供して、顧客接点を確保する。)
- アフターサポートの充実(ツールのUI改善。生活時間に入れていない顧客を発見して、人的にフォロー・課題発見。)
悪い例:
- ユーザー仮説不在のデータ分析